相場格言第67条|上げ下げを取る心にては

上がる時はさてこそと思ひ、下がればさてこそ下げなりと思ふ、是れ一体、心定まらず動くなり。
一度の上げか下げかを取る考をすべきなり。
上げ下げを取る心にては年中休みなく相場に連れ心動き騒ぐものなり。

出典・引用
高島易断所著「米相場必勝宝典」142/266
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格言
本間宗久

高島易断所著「米相場必勝宝典」142/266

米上げべしと思へども、若し此の間に一下げ出る事も心元なく見合わせ候節、少々上がる時はさてこそと思ひ、下がればさてこそ下げなりと思ふ、是れ一体、心定まらず動くなり。
跡相場にて考ふる時はあの上げ売り、此の下げ買へば、上げ下げにて取る事、心安く思はるれども、高下を取る事稀なり。
一両月も跡見合わせ、一度の上げか下げかを取る考をすべきなり。
上げ下げを取る心にては年中休みなく相場に連れ心動き騒ぐものなり。
それ故、損出づるなり。

俗に足掻き貧乏ということわざがある。
相場をなす者も一定の方針を持せずして、上げ下げ両方にて利益を得んとすれば、何時も相場の跡を追ふこととなりて甚だしき損失を招くものである。
一両月跡の見込みを付け、一度の上げか下げを取る考えをせよとの戒めである。
本章などはよく相場師の弱点を道破し尽くしたりというべきである。
読者よろしく三思せらるがよい。

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