相場格言第89条|分限不相応の金高買ひ重ねる故

商ひ致す節、何程の金高に売買致すべきと分限に応じ相定め申すべき事なり。
最初心掛けし金高に積もり都合調ひ候はば、動かずしっかりと上げを待つべし。
その節思ひ入れの外上がる時は慾に迷ひ勝に乗じ高値の処にて分限不相応の金高買ひ重ねる故、手違ひになる者なり。

出典・引用
高島易断所著「米相場必勝宝典」186-187/266
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格言
本間宗久

高島易断所著「米相場必勝宝典」186-187/266

商ひ致す節何程の金高に売買致すべきと分限に応じ相定め申すべき事なり。
たとえば買ひ方ならば先づ少々計り仕掛け、右の買ひ米少々たりとも利分付き候はば、段々買ひ入れ最初心掛けし金高に積もり都合調ひ候はば、動かずしっかりと上げを待つべし。
その節思ひ入れの外上がる時は慾に迷ひ勝に乗じ高値の処にて分限不相応の金高買ひ重ねる故、手違ひになる者なり。
引き上がる時は最初積もりの金高たしかに取り留むべくと工夫すること第一なり。
売り方も右同断の事。

本章の意は、勝利も大概の処にて引き上げよ、然らざれば意外の変事に遭いてかえって大敗を招くことがある、又た初一念を忘れて商い意の如く順調に運ぶときは、欲心増長して最初の見込み以上の事を為さんとするを戒めたのである。

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