相場格言第48条|一心転倒なく決断の心を以て売買方針を定むべし

一心転倒なく決断の心を以て、相場の趨向を計り、売買方針を定むべし。
決して他人の言に乗り目先に迷ふ等の事あるべからず。

出典・引用
柄沢照覚著「期米株式相場極意秘蔵書」37/176
関連タグ
格言

柄沢照覚著「期米株式相場極意秘蔵書」37/176

総て世の事物に本末終始なき物あらざるなり。
然り而して人皆なこの理を知るも、定期売買に従事する人の常として、安値に暴落するときは、弱気のたらたらを言ひ尽くし、又た高値に暴騰せば、強きのみを云ひ過すものなれば、人気此の如く高きとか、安きとか、一様に揃ひたる時、或いは天井ならんか、或いは底値ならんかと心付べし。
然れども相場高き時には、皆なその気になづみて人々の言葉に乗り目先に迷ふものなるを以て、この時に処するには、一心転倒なく決断の心を以て、相場の趨向を計り、売買方針を定むべし。
一腰二運と云ふを以て、志し丈夫ならざれば一旦高下の利を考へて、思ひ付くと雖も、中途にして思惑相違し手を出さず、又た人と相談して人の言に移り迷ひて、折角の思ひ付きを乱し、終に手を出し遅れ、思惑の通り相場高低して後悔するもの多し。
蓋し天井値及び底値は一ヵ年に二度、もしくは三度位よりなきものなれば、その機をはづして又た再び逢ひ難し、故にその機を考ふる事肝要と知るべし。
而して思慮方針定まりたる時は、人に謀らず又た再び思慮を加へず、己の資力に問ふて売買すべし。
決して他人の言に乗り目先に迷ふ等の事あるべからず。

Page Top