相場格言第70条|一分の存意を立てず買ひ入るる時

しきりに売り気進み立ち候節、気を転じ買ひ方に付くべし、是れ伝なり。
一分の存意を立てず買ひ入るる時は極めて利運なり。
買ひ気進み立ち候節も是れ亦た気を転じ売るべし。

出典・引用
高島易断所著「米相場必勝宝典」146/266
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格言
本間宗久

高島易断所著「米相場必勝宝典」146/266

高下之れ有り、其の後保ち合ひの節何となく弱く見え、色々考へ諸方聞合すと雖も、強味は見えず、此の間に是非二三十俵方も引き下ぐべき模様故、此処にて売らずんば後れになるべしと、しきりに売り気進み立ち候節、気を転じ買ひ方に付くべし、是れ伝なり。
我に至って弱気にて買ひ方に付く事甚だ危うく、ならぬ事なれども、此の書を守り一分の存意を立てず買ひ入るる時は極めて利運なり。
是非上ぐべしと買ひ気進み立ち候節も是れ亦た気を転じ売るべし。
米商の秘伝なり、常々此の心持ち忘るべからず、我れ強気の節は人も強気と思ふべし、弱気の節も同じ。

高下之れ有り、保ち合ひの節云々は、二三ヶ月引き上げ、未だ百俵上げせざる場合をいうのである。
本章の意は百俵の上げ下げを的にして、天井底の位を考え、人気に迷うて売り買いを仕掛けるは宜しくないと戒めたのである。
このことは投機売買における共通の理にして然もその実行は中々至難の事故、読者よろしく留意工夫せらるるがよい。

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