相場格言第82条|糸筋には両端あり、相場には陰陽の二途あり

米商は心の道の多きこと糸筋の如しと雖も、畢竟するに上げと下げの二途を出でず。
糸筋には両端あり、相場には陰陽の二途あり。
もつれたる糸を解かんとするには、心を落ち着けてその端緒を見出さざるべからず。
心いらだつときは中々天井底の端緒を発見し難きものなり。

出典・引用
高島易断所著「米相場必勝宝典」171/266
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格言

高島易断所著「米相場必勝宝典」171/266

二つ仕舞い三つ十分、四つ転じの事は前に記し置くなり。
右米商ひは上げ下げ二つより出で、心の道の多きこと糸筋の如し、此の商ひを心掛ける人は前条の趣意、常々油断なく見明らめ考ふべし。
尽く見極むる時は自然と米の強弱を知るなり。
此の書を能々見明らめ売買致すときは、たとひ其の年天災不時作の豊凶米の多少買ひ船の多少人気を以て何程相場動きても利を得ずと云ふことなし。
必ず必ず他見無用専ら慎むべし。

二つ仕舞ひ云々とは、本書前掲の章に天井月より二三ヶ月はたしかに下がるなり、四ヶ月目は品に寄り上がることあり危うし、売り方すべからずということである。
実にこの書は定期売買をなす者の要訣にして、大いに真理を含みたる名言である。
それ故、底を買い入れ七八分利分付きたる節は手仕舞いして、能々上げ満つるを待ちて更に心を転じ売り付くべきを示し教えたのである。
本章の意は、米商は心の道の多きこと糸筋の如しと雖も、畢竟するに上げと下げの二途を出でず、糸筋には両端あり、相場には陰陽の二途あり、今縺れたる糸を解かんとするには、心を落ち着けてその端緒を見出さざるべからず。
米商におけるも亦たこれと同じにて、心いらだつときは中々天井底の端緒を発見するのが難いのである。
その端緒ならざる処が、端緒の様に見えて、往々気迷いを生じることがある。
然らば如何にしてその端緒を見出すことが出来るかというと、この書を幾遍となく精読して眼光紙背に徹る底に到らば、自ずと米の強弱を悟り、進退駆け引きに通じ、変動甚だしき相場に遭遇するも気迷いを生ずることなく、何時も勝利者の地位を占めることが出来るのである。

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