相場格言第166条|急に利を得んと思ひて相場する勿れ

急に利を得んと思ひて相場する勿れ。

出典・引用
芳翠山人著「米穀株式相場の研究」27/38
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芳翠山人著「米穀株式相場の研究」27/38

急に利を得んと思ひて相場する勿れ。
長く不手合ひ続きにて無理な借金をして義理ある金の入用の時、何日迄に何程の利益を得ざれば義理立てずと日を限りて相場するは心得違ひなり。
平生日を限らず急がずに考へてさえ利は得難きなり、然るに自分に金が入用なりとて、静かに動かざる相場を高下なくては調ひ難き故、無理に思ひ入れを付け独りで相場を作り、最早日限が近付きたりとて、高下のない相場に商ひを急ぎ今日よりは何程下るの下るのと思ひ入れを他人に話せども、相場は動かざる故、乱心者の様に人に冷笑され、少々位利が有りても入用の金に足らぬと云ふて取り入れず、日限来る迄今日こそ大高下有るべしと自分勝手の考へで売買を重ね不相応の商ひをして却って大損を招き次第に借金は多くなり、終には義理を欠いて後悔することあり、よくよく考ふべし。

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