内山容庵著「一攫千金相場必勝」17/21
初学の間は目前に相場変動するときは、売買のときを怠りたちまちに手を出す、もとより急ぐときは良考なきなり。
良賈は其の機を待ちて行ふによりて百的百中せざるはなし。
待つの忍耐至すはむつかしきけれど、前条項中ことごとく熟考するときは容易になすを得、宜しく良賈を習ふべし。
相場に心得が未だ定まらぬ者は、目前で相場が大きく動けば売買の時を見定めずに安易に手を出すが、そのように急ぐときは何も考えていないのである。
良賈というのは必ず時宜を待ちて後に動く故に百発百中なのである。
待つという忍耐を致すのは難しいことではあるが、前条項中に述べた事柄をことごとく熟考すればやがて忍耐できるようになるだろう。
宜しく良賈を習うべきである。