相場格言第27条|人気と通ひの相場に心を動かさず

人気と通ひの相場に心を動かさず、天井と底とを考ふるぞ、第一なり。

出典・引用
高島易断所著「米相場必勝宝典」126/266
関連タグ
格言
本間宗久

高島易断所著「米相場必勝宝典」126/266

大高下も過ぎ、天井値段後、相場持ち合い上げか下げか見合ひの時、何となく上方相場など含み少々景気付き候時は、人々買ひ気に成り騒ぎ立つ程上る者なり、その節決して売り場なり。
是れは通ひ相場にて上げては下げ、下げては上げ過分の高下もなく幾度も通ふ者なり、右人気と通ひの相場に心を動かさず、天井と底とを考ふること第一なり。
ただし大高下もなく底にて持ち合ひ自然と起き上がる米は売らざる者なり、段々買ひ重なる者なり。
是れは通ひ相場には之無く、自然と起き上がる相場なり。
持ち合いの時少々下げ目になる時、この米下げ相場と皆々思ひ付き兼ねて売り方の人は図に当たると心得、猶々売り込み、買い方の人もさてこそと売り逃げ、却って売り過ぎ致す心になり、我先に我先にと売り込み候故、猶々下がるなり、この時買ふべし、極めて利運なり、甚だ買い難き者なれども買ふべきなり。
数年の者も後悔多く、通ひの商内は十俵高下を的にし、手早に見切ること第一なり。

この章は大高下も過ぎ天井値段後通ひ相場の売り付けを説いたものである。
ただし月数を繰り合わせ天井なるか、底なるかを考え、大高下もなく底にて持ち合い、自然と起き上がる相場はよく注意して売ってはならぬ、買い重ねるがよい、これは通い相場ではなく自然と起き上がる相場であるという意である。
持ち合いの時とは通い相場にある節のこと、数年の者とは数年の経験ある者との意である。

Page Top