相場格言第58条|底を買ひ出す時

底を買ひ出す時は落ち引きなき前に決して売らざる者なり。
底の買ひ上げ落ちになる迄買ひ重ぬる者なり、心得べし。

出典・引用
高島易断所著「米相場必勝宝典」128/266
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格言
本間宗久

高島易断所著「米相場必勝宝典」128/266

霜月限底を見極め、買ひ付け余程の利分付き候節、相場持ち合ひ候か、又た少々引き下がるとあり、其の節利足勘定等致し、先達上げの節売り返さんと思ふとあり、甚だ心得違ひなり。
底を買ひ出す時は落ち引きなき前に決して売らざる者なり、底の買ひ上げ落ちになる迄買ひ重ぬる者なり、心得べし。

利足勘定とは酒田米会所の習慣として、取引したものをその月のうちに手仕舞いせずして翌月に持ち越す時は買い方は売り方に対し損益勘定の時、なお一月何程と利息を支払うと規定されている。
本章は買い方が利の乗りたる米を、今一ヶ月も持ち送る時は利息を損するが故に、先きの日上がりたる折に売って利食いせざるを後悔することあるも、底値を買い付けたる米は一落ち引き、即ち三俵以上引きあがらざるうちは売らぬがよい、却って買い重ねても良いものである。

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