相場格言第29条|存念は決して人に語るべからず

たしかな処を見据え候らはば、人々に拘らずして、売り買い致すべし。
存念は決して人に語るべからず、是れ大極意なり。

出典・引用
本間宗久著「宗久翁相場全集」87/100
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本間宗久

本間宗久著「宗久翁相場全集」87/100

何程心易き人にも、売り買い進め申すまじきなり。
若し了簡違ふ時は、恨みを得るなり。
総て、相場高下の論致すまじきなり。
此の道を心得る人は、我了簡を立てず、人の了簡にて商いする人はなきはずなり。
少々にても図に当たる時は、募り、了簡を立てたがる者なり。
是れ第一に慎むべきところなり。
勿論、たしかなる高下を見定め打ち明け人に語り進むる時は、人もその気になる故、二三俵方も利を得る人は、一俵方ならで利運ならざる者なり。
たしかな処を見据え候らはば、人々に拘らずして、売り買い致すべき候。
尤も世の中に随い、諸国作合、豊作凶作、方相場、九州様子、聞合わせ随分宜しきなり。
存念は、決して人に語るべからず、是れ大極意なり。
常々専ら慎むべし。

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