相場格言第59条|燈火の消えんとして光増すの心

上げ詰め候ふ米を買ひ重ぬること甚だ宜しからず。
是れ燈火の消えんとして光増すの心なり、ここ行き付き天井を見ること肝要なり。

出典・引用
高島易断所著「米相場必勝宝典」129/266
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格言
本間宗久

高島易断所著「米相場必勝宝典」129/266

霜月限り天井値段近く買ひ米之れ有る節、何等の不時申し出だし商いも出来ず急上げになることあり。
二三百両買ひ入れある人も、千両、二千両買ひ入れある人も金高買ひ入れざるを後悔し、残念に思ひ少々引き上げ候節、買ひ入れ可く思ふ内に、毎日引き上げ落ち引き出で、二三日以前の商いも最早落ちになる様になる故、後れたれども半落ち位は取るべしと思ひ、上げ詰め候米を買ひ重ぬることなり、甚だ宜しからず慎むべき也。
此の処買ひ入れ利を取ることなし、たとひ百両買ひ入れても初めの安買ひ二百両の利分此の為に消へ、利分なく却って不足出るなり。
此処にて買ひ入るる時は又た少々引き下げ候処にて買ひ重ぬる心になるなり。
又た上方相場種々申来るともその騒々しき処にて決して買はざる者なり、心得べし。
この上は陽に登り詰めこの上へ何程上がるも知れぬ様なるなり、是れ燈火消えんとして光増すの心なり、是非共明日利分と見定むると雖も買はざる者なり。
此処米も強く人気も揃ひ引く強気の人一倍募る処なり、此処行付天井を見ること肝要なりと考ふべし。

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