相場格言第62条|慾より出でて迷ふなり

相場を追ひ掛け商ひ致す故、極めて上げ下げにて損出づるなり。
是れ慾より出でて迷ふなり、慎み心得べし。

出典・引用
高島易断所著「米相場必勝宝典」131/266
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格言
本間宗久

高島易断所著「米相場必勝宝典」131/266

商ひ利運仕当たる時、先づ大概に致し取り留むる者なり。
其の節一両月休むべし。
此の休むことを忘るる時は何程利運に向きても商ひ仕舞ひの節は決して損出づべし。
勝に誇り百両の利は二百両取る気になり、千両二千両の気移り慾に迷ふて見切り兼ね損出づるなり。
又た急ぎ儲くべしと上げ下げにて取るべしと、相場を追ひ掛け商ひ致す故、極めて上げ下げにて損出づるなり。
是れ慾より出でて迷ふなり。
不利運の時は尚ほ以ての事なり、其の時の見切り大切の事なり、慎み心得べし。

利運とは、相場が思うように図に当たりて利益を得たる時をいう。
欲に迷うなどは相場をなす人には少しく無理なる話なれど、欲を離れて欲に付くという妙味を説ける宗久翁の言三思味わうべし。

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