バートン・マルキール|真の価値はいずれは行き渡る
真の価値はいずれは行き渡ると信じているが、時には皆が真の価値に気がつかない状態も存在しうる。
- 出典・引用
- バートン・マルキール著「ウォール街のランダム・ウォーカー」p458
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バートン・マルキール著「ウォール街のランダム・ウォーカー」p458
ファイナンスの教授と二人の学生についてのジョークをもう一度取り上げよう。
たまたま教授が二人の学生と道を歩いていた時、100ドル札が道端に落ちていた。
一人の学生が急いでそれを拾ったところ、その教授は「君はまだわかっていないのかね。もしこれが本物の100ドル札だったら、もうとっくに誰かが拾っているはずだ」と大声でたしなめたものだ。
幸いなことにこの学生は、ウォール街のプロに対しても、研究熱心な教授に対しても、それほど敬服していたわけではなかったので、100ドル得したのである。
(中略)
もしかしたら、ファイナンスの教授のアドバイスは次のようなものであるべきだったかもしれない。
「ともかく、それを拾ってみたまえ。もし本物だったら、じきに誰かに拾われてしまうはずだから」と。
私がランダム・ウォーカーを自任しているのは、まさにこの意味においてである。
私は真の価値はいずれは行き渡ると信じているが、時には皆が真の価値に気がつかない状態も存在しうるのである。
それゆえ、時には100ドル札が落ちているかもしれない。
そういう時にはもちろん、私は躊躇なくランダム・ウォークの歩を止め、さっさと拾うに違いない。